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会社設立日の決め方完全ガイド|節税と縁起を両立する5つのポイント
2026.01.24会社設立
林 大樹

この記事の監修者

林 大樹(公認会計士・税理士)

ALBA税理士法人代表社員。
慶応義塾大学商学部卒業後、公認会計士として監査法人にて上場企業の監査業務などに従事。その後、数字をチェックするだけの関係性ではなく「もっと経営者の身近な立場で、共に悩み、共に戦うパートナーでありたい」という強い想いから、税理士へ転身。
2012年に独立開業し、林総合会計事務所(現:ALBA税理士法人)を設立。
高度な専門知識と、親身なパートナーシップを両立したサポートを延べ300社以上に提供している。

会社設立日の決め方完全ガイド|節税と縁起を両立する5つのポイント

「会社設立日はいつにすればいい?」「節税に有利な日はある?」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

会社設立日は登記申請をした日がそのまま設立日となり、一度決まると変更できません。そのため、節税効果や縁起の良さなど、複数の観点から慎重に決める必要があります。

この記事では、会社設立日の決め方を5つのポイントに分けて、税理士の視点から詳しく解説します。消費税の免税期間を最大化する方法から、縁起の良い日カレンダー、希望日に設立するためのスケジュールまで網羅的にご紹介します。

会社設立日とは?基本的な仕組みを理解する

まずは、会社設立日の基本的な仕組みを理解しましょう。

会社設立日=登記申請をした日

会社設立日とは、法務局に設立登記の申請書を提出し、受理された日のことです。登記が完了した日ではなく、申請した日が設立日として登記簿に記載されます。

例えば、4月1日に登記申請をして、4月15日に登記が完了した場合でも、会社設立日は4月1日となります。

会社設立日と混同されやすい言葉の違い

会社設立日と似た言葉がいくつかあります。それぞれの違いを確認しましょう。

登記完了日との違い

登記完了日は、法務局での審査が終わり、登記簿に記載が完了した日です。設立日から1〜2週間後になることが一般的です。会社設立日は登記申請日であり、登記完了日とは異なります。

事業開始日との違い

事業開始日は、実際に事業活動を開始した日です。会社設立日と同日の場合もありますが、設立後しばらくしてから事業を開始する場合もあります。

創立日・創業日との違い

創立日や創業日は、法律上の定義がない言葉です。会社によって「登記日」を指す場合もあれば、「事業開始日」を指す場合もあります。

法人番号指定日との違い

法人番号指定日は、国税庁から法人番号が指定された日です。登記完了後に指定されるため、設立日より後の日付になります。

登記申請の方法によって会社設立日が変わる

登記申請の方法によって、設立日の決まり方が異なります。

窓口申請の場合

法務局の窓口に直接書類を持参し、受理された日が設立日となります。申請当日に設立日を確定できるため、日付にこだわりがある場合におすすめです。

郵送申請の場合

郵送した書類が法務局に届き、受理された日が設立日となります。郵送にかかる日数を考慮する必要があり、希望日ちょうどに設立するのは難しい場合があります。

オンライン申請の場合

「登記・供託オンライン申請システム」でデータが受理された日が設立日となります。24時間申請可能ですが、法務局の営業日外に申請した場合は、翌営業日が設立日となります。

会社設立日を決める5つのポイント

設立日決定の5ポイント
消費税・住民税・所得税・縁起・愛着

会社設立日を決める際に考慮すべき5つのポイントをご紹介します。

ポイント① 消費税の免税期間を考慮する(重要度:★★★)

節税の観点で最も重要なのが、消費税の免税期間です。

消費税の免税期間とは

資本金1,000万円未満で設立した場合、原則として設立から2事業年度は消費税が免税となります。この免税期間を最大限活用することで、大きな節税効果が得られます。

月の途中を設立日にするメリット

1事業年度は「設立日から決算日まで」の期間です。設立日からなるべく遠い月を決算月にすることで、初年度の期間を長くできます。

例えば、3月15日に設立して2月決算にした場合、初年度は約11.5か月間となります。

免税期間を最大化する具体例

4月1日設立・3月決算の場合: - 初年度:12か月(4月〜翌3月) - 2年度:12か月(4月〜翌3月) - 免税期間:約24か月

4月1日設立・4月決算の場合: - 初年度:1か月(4月のみ) - 2年度:12か月(5月〜翌4月) - 免税期間:約13か月

このように、決算月の設定によって免税期間に大きな差が生じます。

ポイント② 法人住民税の均等割を抑える(重要度:★★)

法人住民税の均等割も、設立日の選び方で節税できる場合があります。

法人住民税の均等割とは

法人住民税の均等割は、赤字でも黒字でも必ず支払う税金です。最低でも年間約7万円(東京都の場合)がかかります。

月割計算の仕組み

法人住民税の均等割は、事業年度の月数に応じて月割計算されます。1か月に満たない端数がある場合は、1か月未満を切り捨てとして計算されます。

毎月1日を避けるメリット

例えば、4月1日に設立すると4月は「1か月」とカウントされますが、4月2日に設立すると4月は「1か月未満」として切り捨てられます。

この違いにより、約6,600円の節税(東京都の場合、均等割約7万円÷12か月)になります。

ポイント③ 所得税と法人税の税率差を考慮する(重要度:★★)

個人から法人へ移行する場合、税率の違いを考慮して設立日を決めることも重要です。

サラリーマンが独立する場合

会社を退職して起業する場合、退職日と設立日のタイミングを調整することで、所得税の負担を軽減できる場合があります。年の途中で退職すると、その年の給与所得が減り、所得税率が下がる可能性があります。

個人事業主から法人化する場合

個人事業主として一定以上の所得がある場合、法人化することで税負担を軽減できます。法人税率(15%〜23.2%)と所得税率(5%〜45%)の差を考慮して、最適なタイミングを検討しましょう。

一般的には、個人事業の所得が年間600万円〜800万円を超えたあたりから、法人化のメリットが出始めると言われています。

ポイント④ 縁起の良い日を選ぶ(重要度:★)

縁起を担いで吉日に設立したいという経営者も多いです。

天赦日(てんしゃにち)

天赦日は「天が万物の罪を赦す日」とされ、日本の暦の中で最上の開運日です。年に5〜6回しかない貴重な吉日で、新しいことを始めるのに最適とされています。

一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)

一粒万倍日は「一粒の籾が万倍にも実る」という意味を持つ吉日です。この日に始めたことは大きく発展すると考えられています。月に4〜6回程度あります。

寅の日(とらのひ)

寅の日は金運・財運に恵まれる日とされています。12日ごとに巡ってくるため、比較的日程調整がしやすい吉日です。

六曜の大安(たいあん)

大安は六曜の中で最も縁起が良いとされる日です。6日に1回のペースで巡ってくるため、最も日程調整がしやすい吉日です。

ポイント⑤ 愛着が持てる日を選ぶ(重要度:★)

実務的な観点以外にも、経営者として愛着が持てる日を選ぶのも選択肢のひとつです。

記念日や誕生日

創業者の誕生日、結婚記念日、家族の記念日など、思い出のある日を設立日にする経営者もいます。

キリの良い日・ゾロ目の日

1月1日、4月1日、10月1日など、キリの良い日は覚えやすく、事業年度の区切りとしても便利です。また、1月11日や11月11日などのゾロ目の日を選ぶ経営者もいます。

特別な意味がある日

事業内容に関連する記念日(例:IT企業が「いい夫婦の日」にSNS関連サービスを設立するなど)を選ぶこともあります。

会社設立日にできない日・注意点

設立日にできない日
土日祝日・年末年始は法務局休業

会社設立日を決める際の注意点を確認しましょう。

土日祝日と年末年始は設立日にできない

法務局は以下の日が休業となるため、これらの日を会社設立日にすることはできません。

  • 土曜日・日曜日
  • 国民の祝日
  • 年末年始(12月29日〜1月3日)

土日を希望する場合の代替案

縁起の良い日が土日に当たる場合は、その前後の平日を選びましょう。例えば、大安が日曜日の場合、前日の土曜日は選べませんが、翌日の月曜日は選べます。

会社設立日は後から変更できない

一度登記された会社設立日は、原則として変更できません。そのため、設立日は慎重に決定する必要があります。

設立日を間違えて申請してしまった場合、申請を取り下げて再度申請するしかありませんが、その場合は登録免許税が再度必要になります。

提出先(管轄法務局)を間違えると不受理になる

登記申請は、本店所在地を管轄する法務局に行う必要があります。管轄外の法務局に申請しても受理されません。

事前に管轄法務局を確認しておきましょう。法務局のウェブサイトで管轄を調べることができます。

登記申請が却下されるケースもある

書類に不備があると、登記申請が却下される場合があります。却下されると、修正して再申請することになり、希望の設立日に間に合わない可能性があります。

書類作成は慎重に行い、不安な場合は専門家に依頼することをおすすめします。

希望日に設立するための具体的なスケジュール

逆算スケジュール
希望日の2〜3週間前から準備開始

希望する日に会社を設立するためには、計画的な準備が必要です。

設立日から逆算した準備の流れ

希望の設立日から逆算して、以下のスケジュールで準備を進めましょう。

3週間前まで: - 会社の基本事項を決定(商号、事業目的、資本金など) - 会社実印を発注

2週間前まで: - 定款を作成 - 公証役場に定款認証の予約(株式会社の場合) - 発起人の印鑑証明書を取得

1週間前まで: - 定款認証を完了(株式会社の場合) - 資本金を払い込み - 登記申請書類を作成

設立希望日: - 法務局に登記申請

郵送申請時の注意点

郵送で申請する場合、書類が法務局に届いた日が設立日となります。郵送にかかる日数を考慮し、確実に届くよう余裕を持って発送しましょう。

速達や書留を利用し、追跡できるようにしておくと安心です。

オンライン申請時の注意点

オンライン申請は24時間可能ですが、以下の点に注意が必要です。

  • 法務局の営業時間外に申請した場合、翌営業日が設立日となる
  • システムメンテナンスやダウンのリスクがある
  • 電子証明書やICカードリーダーの準備が必要

重要な日に申請する場合は、窓口申請を選ぶのが確実です。

会社設立日以外に事前に決めておくべき事項

会社設立日を決める前に、以下の事項も確定させておく必要があります。

会社名(商号)

会社名は登記事項のひとつです。同一所在地に同一商号の会社が存在しないか、事前に確認しましょう。

本店所在地

本店所在地は、会社の住所として登記されます。賃貸オフィス、自宅、バーチャルオフィスなど、選択肢を検討しましょう。

事業目的

会社が行う事業内容を定款に記載します。将来的な事業拡大も見越して、幅広く記載しておくと良いでしょう。

資本金

資本金の額は、消費税の免税(1,000万円未満)や許認可の要件に影響します。適正額を検討しましょう。

事業年度(決算月)

決算月は、消費税の免税期間や業務の繁忙期を考慮して決定します。設立日と合わせて検討することで、税金面で有利になります。

発起人・役員構成

発起人は会社設立の手続きを行う人、役員は会社の業務執行を担う人です。1人で兼任することも可能です。

会社印(法人実印)

会社実印は設立登記に必要です。発注から届くまで数日〜1週間程度かかるため、早めに発注しましょう。

会社設立日が決まったら行うべき手続き

会社設立後は、以下の手続きを進めましょう。

法人実印を登録する

登記申請時に法務局に届け出た印鑑が、法人実印として登録されます。

登記事項証明書(登記簿謄本)を取得する

登記完了後、登記事項証明書を取得しましょう。法人口座開設や各種届出に必要です。

法人口座を開設する

法人名義の銀行口座を開設します。登記事項証明書、定款、代表者の本人確認書類などが必要です。

税務署・都道府県税事務所・市区町村への届出

法人設立届出書、青色申告承認申請書などを提出します。届出期限があるため、早めに手続きしましょう。

社会保険の加入手続き

役員報酬を支払う場合は、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入手続きが必要です。

会社設立日の決め方でよくある質問

よくある質問
設立日に関する疑問を解決

会社設立日に関するよくある質問にお答えします。

会社設立日は何日前から準備が必要ですか?

一般的には、2週間〜3週間前から準備を始めることをおすすめします。専門家に依頼すれば、最短1週間程度で設立することも可能です。

会社設立日と事業開始日はどれくらい離れますか?

会社設立日と事業開始日は同日でも問題ありませんし、数週間〜数か月離れていても問題ありません。許認可が必要な事業の場合は、許認可取得まで事業を開始できないこともあります。

会社設立日を変更することはできますか?

一度登記された会社設立日は、原則として変更できません。設立日は慎重に決定しましょう。

会社設立日はどのような場面で必要になりますか?

会社設立日は、以下のような場面で必要になります。

  • 法人口座の開設申請
  • 各種届出書の記入
  • 契約書の作成
  • 融資の申請
  • 許認可の申請
  • 名刺や会社案内の作成

会社設立日の確認方法は?

会社設立日は、以下の方法で確認できます。

登記事項証明書(登記簿謄本)で確認

法務局で取得できる登記事項証明書に、設立日が記載されています。オンラインでも取得可能です。

国税庁 法人番号公表サイトで確認

国税庁の法人番号公表サイトで、法人番号から会社情報を検索できます。ただし、設立直後は反映に時間がかかる場合があります。

定款や法人設立届出書の控えで確認

定款や税務署に提出した届出書の控えにも、設立日が記載されています。

税理士に相談すべきタイミングとメリット

会社設立日の決定は、税理士に相談することをおすすめします。

会社設立前に税理士に相談するメリット

節税効果を最大化できる

消費税の免税期間、法人住民税の均等割、所得税と法人税のバランスなど、税務の専門家だからこそできるアドバイスがあります。

事業年度の決め方もアドバイスできる

設立日と決算月をセットで検討することで、税金面で有利な設定ができます。

設立後の税務手続きもサポート

法人設立届出書、青色申告承認申請書など、設立後の届出をサポートしてもらえます。

ALBA税理士法人のサポート

設立日の最適化アドバイス

消費税免税期間の最大化、縁起の良い日との両立など、最適な設立日をアドバイスします。

登記手続きの専門家との連携

司法書士と連携し、設立登記までワンストップでサポートします。

設立後の税務・会計サポート

設立後の届出、記帳代行、決算・申告まで継続的にサポートします。

創業融資・補助金申請サポート

日本政策金融公庫の創業融資、各種補助金の申請もサポートします。

まとめ|会社設立日は節税と縁起のバランスで決めよう

会社設立日の決め方について解説しました。

押さえておくべきポイント

  1. 会社設立日=登記申請日。土日祝日は法務局休業のため設立不可
  2. 消費税の免税期間を最大化するには、設立日からなるべく遠い月を決算月に
  3. 法人住民税の均等割は、毎月1日を避けることで約6,600円節税
  4. 縁起の良い日(天赦日、一粒万倍日、大安など)を選ぶのも選択肢
  5. 愛着が持てる日(記念日、誕生日、キリの良い日など)も検討
  6. 希望日に設立するには、2〜3週間前から計画的に準備

会社設立日は一度決まると変更できないため、慎重に決定しましょう。節税効果と縁起のバランスを考えながら、最適な日を選んでください。不安な点があれば、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

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