2025/3/12
個人事業主に対する税務調査が来やすい時期とは?対象になりやすい特徴も解説!
個人事業主にとって、税務調査は大きな不安材料ですよね。
- 「いつ来るのか?」
- 「何を調べられるのか?」
- 「どう対応すればいいのか?」
漠然とした不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
税務調査は、事業の規模や業種に関わらず、誰にでも起こりうる可能性があります。
しかし、適切な準備と対応をすれば、不安を軽減しスムーズに調査を終えることができるんです。
この記事では、税務調査が行われやすい時期や頻度、調査対象になりやすい個人事業主の特徴、そして税務調査への対策について、具体的な事例を交えながら解説します。
目次
個人事業主に対する税務調査が少ない時期・来やすい時期とは?
実は、税務調査が行われやすい時期には一定の傾向があります。
どんなタイミングで税務署が動きやすいのか、スケジュールの流れを知っておくと、いざという時に慌てずに対応できます。
税務調査が少ない時期
個人事業主の確定申告の期限は毎年2月16日〜3月15日。
この期間中、税務署は大量の申告書類の処理に追われているため、基本的に新たな税務調査の実行が難しいことが多いです。
ただし、これはあくまで調査開始の件数が少ない期間を指すので、すでに調査が決まっている調査が実施されるケースがあります。
さらに、5月〜6月にかけては税務署の人事異動が控えているという事情もあり、5月頃から税務調査の件数はグッと減る傾向があります。
7月に新しい体制へと切り替わった後も落ち着いた時期が続く傾向があります。
税務調査が増える時期
「じゃあ、いつ税務調査が多くなるの?」というと、一般的な傾向として9月〜11月と言えます。
この時期は、法人の決算処理も落ち着き、税務署の体制も整うため、税務調査が活発に行われる時期と言えるでしょう。

税務調査の対象になりやすい個人事業主とは?
「税務調査ってどんな人が対象になりやすいの?」
個人事業主やフリーランスの方にとって、これは気になるポイントですよね。
実は、税務調査が入りやすい特徴的なパターンがあります。
どれかに当てはまる方は、調査対象になる可能性があるので要チェックです!
1.申告内容に不審な点がある
税務署は、他の事業者のデータと比較して申告内容をチェックしています。
例えば、
- 売上の割に経費が異常に多い
- 確定申告書と取引先の支払調書の金額が一致しない
- 帳簿がずさん、または記録が不完全
こうした「あれ?」と思う点があると調査の対象になりやすくなります。
申告内容はできるだけ正確に記帳し、根拠のある経費計上を心がけましょう。
2.売上が1000万円弱ぎりぎりの個人事業主
「1,000万円を超えると消費税の納税義務が出るから…」
と考えて、売上をギリギリ1,000万円弱で申告していると、税務署に“消費税逃れ”を疑われやすくなります。
実際、1年の売上が1,000万円を超えた場合、翌々年からは課税事業者となり消費税を納める必要があるため、
「本当は超えているのに、わざと低く申告しているのでは?」とチェックされやすいのです。
もし意図的に売上を過少申告していたことがバレれば、最大で7年分の修正申告が必要になる上、重加算税も課されるリスクがあります。
追徴される税金が数百万円〜数千万円規模になってしまうこともあるので、くれぐれも手を出さないようにしましょう。
また、正しく申告していても、毎年900万円台の売上を計上している事業者は、税務署から「怪しいかも…?」と警戒されがちです。
いざというときにスムーズに対応できるよう、顧問税理士をつけるなどの準備をしておくと安心ですよ。
3.現金商売を行っている個人事業主
現金でやりとりするビジネスを営む個人事業主、例えば飲食店や小売店、美容室などのサービス業や、現場で現金精算が多い建設業などは、どうしても税務署のチェックが厳しくなりがちです。
銀行口座を通していれば取引の証拠が明確に残りますが、現金の場合
- 「売上をちょっと抜いてない?」
- 「領収書を失くしたと言い訳して、実は架空の領収書を作ってない?」
と疑われやすいのが実情です。
こうした疑いをかけられないためにも、日頃からきちんと領収書を受け取り、帳簿へ正確に記録するなど、基本的な管理を徹底しておきましょう。
4.顧問税理士がついていない個人事業主
顧問税理士をつけずに自力で確定申告をしている場合、税務署から「申告内容が正確かどうか」をより注意深くチェックされる傾向があります。
税理士が関与している申告書には署名押印(電子申告の場合は電子署名)が入るため、計上ミスや脱税の疑いが低いと判断される可能性が高まります。
一方、税理士の署名押印がないとなると、税理士のチェックが入っていない分、記載ミスや不正行為のリスクが高いとみなされやすく、税務調査の対象となる優先度が上がる可能性があります。
「手間を省くためにも、税理士に依頼するほうが安心かも…」と考える方は、ぜひ導入を検討してみてくださいね。
5.無申告(確定申告を行っていない個人事業主)
「申告しなければバレないんじゃない?」と思う方もいるかもしれませんが、実は税務署のチェックは想像以上にしっかりしています。
取引先の申告内容や調査から、あなたの売上を推定できてしまうのです。
特に、ある程度の売上があるのに所得税や消費税を納めていない場合は、税務署のリストアップ対象になりやすいでしょう。
さらに、最近ではさまざまなデータが蓄積され、AI(人工知能)の力を借りて申告漏れや所得隠しを簡単に見つけられるようになっています。
無申告は絶対に避けるべき行為と言えます。

税務調査の不安を解消するために
調査前に確認すべき3つのポイント
1.帳簿や書類の整理
税務調査では、原則過去3年分(明らかな不正や大きな問題が見つかった場合は最大7年)の帳簿や書類が確認されるため、適切に整理・保管しておくことが重要です。
2.申告内容の見直し
計算ミスや経費の計上ミスがないか、税法に準じた処理が行われているかを事前にチェックしましょう。
3.税理士への相談
税務調査では、税理士がいることで調査官とのやり取りをスムーズに進めることができます。
税務調査に向けた事前対策
①会計ソフトを活用し、日々の記帳を正確に行う
②領収書や請求書を適切に整理し、保管する
③プライベートと事業の経費を明確に区別する
④税理士と定期的に相談し、税務リスクを最小限に抑える
税務調査は、あくまで申告内容が正しいかどうかを帳簿書類などで確認するという税務署・国税局が行う調査手続です。
必ずしも「不正」を疑われるものではないため、冷静に対応し税務署に協力する姿勢を持つことも重要です。

まとめ:税務調査に備えて冷静に対応しよう!
税務調査は、個人事業主なら誰にでも起こりうるものですが、事前にしっかり準備をしておけば、必要以上に不安になることはありません。
日々の経理をしっかり管理し、正しく申告していれば、税務調査が入っても落ち着いて対応できます。
「もし調査が来たらどうしよう…」と不安になるのではなく、普段からの準備と正しい申告を心がけて、安心して事業を続けていきましょう!
投稿者プロフィール

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慶応義塾大学商学部卒
延べ100社以上の経営改善業務に従事。資金繰りに悩む多くの会社を支援する中で、会社の経営が傾く原因の共通点に気づく。 現在では、会社の経営が傾く前の予防策が大事だと考え、それをなるべく早い時期から伝えるため、会社設立を含めた起業家支援に注力している。
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